中性脂肪とは、私たち人間が体を動かすためのエネルギー源であります。
中性脂肪というと、絶対悪のようなイメージを持たれがちですが、
決してそうではないのです。
では、どうしたら中性脂肪を適度に摂取できるのか、
中性脂肪を多く摂取してしまうと何が起こるのか、
また、その改善法をご紹介していきます。
ぜひ、ご参考ください。
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中性脂肪の基準値と、高いと発症するリスクのある病気
まず、中性脂肪についてご説明します。
主に食べ物から摂取した脂質は小腸へ吸収されて、
血中に入り、体内の生命維持活動のために使われます。
しかし余ってしまったエネルギーは、
中性脂肪として体に蓄えられてしまいます。
これが、身体についた贅肉、また皮下脂肪が中性脂肪なのです。
血中の中性脂肪値が高くなってしまうと、
「脂質異常症」という状態になってしまい、
血管の動脈硬化を進めてしまう原因となります。
動脈硬化が進んでしまうと、「脳梗塞」や「心筋梗塞」などを
引き起こしてしまう一因となってしまうのです。
そのため、動脈硬化は「サイレントキラー」とも呼ばれています。
中性脂肪値は、健康診断での血液検査で簡単に調べることができますので、
ぜひ受けるようにしましょう。
では、中性脂肪値の基準値はいくらになるのでしょうか。
中性脂肪値の基準値は「150mg/dl」未満とされています。
(日本動脈硬化学会・日本人間ドッグ学会より)
この数値を超えてしまうと、「高脂血症」と診断されてしまいます。
高脂血症には、3つのタイプがあるとされています。
「高コレステロール血症」 コレステロールのみが多いタイプです。
「高中性脂肪血症」 中性脂肪のみが多いタイプです。
「高コレステロール高中性脂肪血症」 両方ともに多いタイプです。
高脂血症といえども、様々なタイプがあるので、
結果により医師の診断・治療をしっかり受けるようにしましょう。
動脈硬化になってしまうリスクが高まりますので、
決して放っておかないようにしてください。
他にも、基準値よりも高い場合に発症してしまう恐れのある病気や
症状があるので、紹介していきます。
「心筋梗塞」や「狭心症」
動脈硬化と表裏一体ともいわれているのが、心筋梗塞や狭心症です。
先述している通り、中性脂肪が高くなってしまうと、
動脈硬化を引き起こしてしまいます。
心筋梗塞は、動脈硬化などで動脈が閉塞してしまい、
6時間から24時間後には心臓のポンプ機能が働かなくなってしまい、
最悪の場合、「心不全」や「ショック症状」により
死に至ってしまう場合があります。
狭心症は、心筋梗塞と同じ要因で起きてしまうのですが、
心臓のポンプ機能は働いている状態をいいます。
「糖尿病」
中性脂肪が血中にたまってしまうと、
血中の糖分を分解するインスリンが正常に機能しなくなってしまい、
糖尿病のリスクが高くなってしまいます。
「脂肪肝」
中性脂肪が高いということは、肝臓から常に脂肪がつくられている状態です。
このまま放っておくと肝臓に脂肪が蓄積され続けてしまいます。
蓄積された脂肪は脂肪肝となり、「肝硬変」や「肝臓がん」などの
重病になってしまうリスクが高まってしまうのです。
このように中性脂肪が高くなってしまうと、
取り返しのつかない病気になってしまうのです。
日頃の食生活や生活習慣で、改善を期待することができ、
予防にもつながります。
中性脂肪の数値を下げる方法
では次に、恐ろしい中性脂肪を下げるための方法をご紹介します。
1 食生活を改善しましょう
中性脂肪を高くしてしまった主な原因は、食生活と考えられています。
大食いや脂質の多い食事のとりすぎ、糖質の多い食事も原因です。
また、アルコールの摂取も原因だといわれています。
野菜中心で、バランスのとれた食生活に改善するようにしましょう。
お酒も休肝日を設けるなどして、肝臓を休ませることも必要です。
2 サプリメントを活用しましょう。
EPAやDHAは中性脂肪を下げるのに、有効な成分だといわれています。
青魚に多く含まれているといわれていますが、
毎日多量に摂取するのは難しいです。
そこで、サプリを活用すると良いでしょう。
しかし、体質等によってサプリが合わない場合もありますので、
心配な方は医師へ相談することをおすすめします。
3 適度な運動をするようにしましょう。
中性脂肪を下げるのに必要なのは運動も関係しています。
無理にジムなどへ通う必要はありません。
激しい運動ではあまり効果がありません。
ジョギングなどの有酸素運動を1日に数十分行うことが必要なのです。
毎日することが大切で、継続することで効果が出ます。
中性脂肪を下げる効果のある食事もあります。
1 青魚(イワシ・サバ、アジ等)
サプリでも紹介した通り、EPAやDHAは中性脂肪を下げる効果があります。
青魚には豊富に含まれているので、積極的に食べるようにしましょう。
2 ナッツ類(クルミ等)
ナッツ類、特にクルミにはaリノレン酸が豊富に含まれています。
中性脂肪値を下げる効果が確認されているのです。
3 納豆
納豆には納豆キナーゼが多く含まれています。
納豆キナーゼには、脳梗塞や心筋梗塞などの血栓症を予防する効果があるのです。
4 野菜(たまねぎ、きのこ類)
野菜やきのこ類には中性脂肪を下げる効果があるといわれています。
とくにたまねぎに含まれているポリフェノールの一種である
ケルセチンには、脂質と結合し腸内の脂肪と結びつき脂肪を固め、
便と一緒に排泄してくれる効果があります。
5 緑茶
緑茶に含まれているカテキンには、
脂肪やコレステロールの吸収を抑える効果があります。
以上が中性脂肪を下げる効果のある食事です。
積極的に摂取するようにしましょう。
最後に
中性脂肪は上げるのも下げるのも自身の生活習慣や食生活に関わってきます。
中性脂肪は蓄積すればするほど、恐ろしいものとなってしまいます。
健康寿命を延ばして、元気に過ごすためにも、
これまでの生活を見直してみましょう。
適度な運動をすることで、ストレス解消も期待ができます。
そしてぜひ、健康診断を受けて積極的に
自身の体のことを知るようにしましょう。
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