みなさん、「熱性けいれん」というものを知っていますか?
夜間救急にて搬送される子供のほとんどが、熱性けいれんで搬送されるといわれています。
目の前で、自分の子供がけいれんを起こしているとパニックになりますよね。また、前兆なく突然起こってしまうので、あらかじめどのように対処すればいいのか知っておくと、いざというときに少し落ち着くことができると思います。
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- 熱性けいれんとは
- 熱性けいれんの原因
- 熱性けいれんの症状
- 熱性けいれんの種類
- 熱性けいれんを起こしたときの対処法
- 5分以内でおさまり、もとに戻った場合は翌日受診でもよいですが、次の場合は救急に見てもらった方が良いでしょう。 ・10分以上続いたり、短時間で繰り返し発作が起こり、意識障害が続く場合 ・部分発作や左右非対称の場合 ・けいれんの前後に頭痛・嘔吐・意識障害がある場合 ・けいれん後、麻痺が続く場合 ・重度の昏睡状態 など 熱性けいれんをおこしてしまった場合、次から予防するための座薬を処方される場合があります。抗けいれん薬でダイアップという座薬で、37.5度の発熱の時点で一度座薬を挿入し、8時間後にまだ熱があればもう一度挿入するという薬になります。けいれんは、体温が急激に上昇するときに起こりますので、発熱時には注意して観察しておいた方がいいですね。 さいごに
熱性けいれんとは
熱性けいれんとは、熱があるときに起こるけいれんのことです。けいれんは、「ひきつけ」ともいわれます。感染症や髄膜炎、脳炎などの診断がない状態で起こるものをいいます。脳の異常によっておこる筋肉の震えで、一般的に38度以上の発熱で起こり、6ヶ月から4歳に好発します。ピークは1歳から2歳といわれています。
子供100人のうち7~8人が発作を起こすと言われており、通常だと発作は5分以内におさまります。熱性けいれんを起こしている間は、子供には意識はありません。
また、熱が出て24時間以内に起こりやすいです。2日目以降に起きた場合、髄膜炎や脳炎の可能性も考えられます。生涯で1回のみの発作が50%を占めますが、中には2回・3回と起こす方もいます。特に、1歳未満で初めて発作を起こした場合や、親や兄弟にけいれんの既往がある場合は再発率があがります。
熱性けいれんの原因
原因は不明のようです。脳が未熟なため起こってしまうともいわれていますが、詳しくは分かっていません。
熱性けいれんの症状
熱性けいれんの症状は、主に「けいれん」「チアノーゼ」「呼吸抑制」「意識消失」で、発作が起きると、体を硬直させ手足をガクガクさせながら眼球は上方を向き、白目になります。
熱性けいれんの種類
「単純型熱性けいれん」と「複雑型熱性けいれん」に分類されます。
単純型熱性けいれん
全身の震え(全般発作)がおき、15分未満で終わるもので、心配のない熱性けいれんです。発作のうち約80%ほどがこちらの単純型になります。
複雑型熱性けいれん
全身の震え(全般発作)が15分以上続いたり、片側だけ震えたり(部分発作)します。24時間以内に2回以上起こったりするものです。一部は、てんかんの発作を起こしやすくなります。また、髄膜炎や脳炎、脳症の可能性も考えられます。
熱性けいれんを起こしたときの対処法
まず、一番大切なのが“落ち着いて観察すること”です。目の前で可愛い我が子が発作を起こしていると、落ち着くことは難しいと思いますが、私自身も、娘が発作を起こした時に救急隊の方に言われた言葉です。
服装と姿勢について
発作時は、衣服をゆるめてあげ、頭部をやや低くし顔は横に向けてあげ、誤飲を防ぎましょう。そして、発作の持続時間と、左右差がないか・眼球の偏位なども観察します。できればメモを残しておいた方が、あとで振り返るときにいいでしょう。また、少し落ち着いてからでもいいので、体温測定もするようにします。
飲み物を与えない
発作中には、誤飲を防ぐため、飲み物を与えたりすることは避けましょう。昔の方はよく、舌をかまないようにと割り箸をかませたりしてしまうようですが、口の中を傷つけてしまう原因になったり、吐き気を誘発し誤飲してしまうリスクも高まります。
やってはいけないこと
発作中は、抱っこでも床に寝かせていてもどちらでも良いですが、激しくゆすったり、大声で呼びかる、大きな刺激を与えるといったことは避けましょう。
発作中はなるべく目を離さず、そばについていてあげましょう。
発作がおさまったら、医師からダイアップ(ジアゼパム)を処方されている方は、座薬を挿入しましょう。
熱性けいれんこんな時にはすぐに受診を!
5分以内でおさまり、もとに戻った場合は翌日受診でもよいですが、次の場合は救急に見てもらった方が良いでしょう。 ・10分以上続いたり、短時間で繰り返し発作が起こり、意識障害が続く場合 ・部分発作や左右非対称の場合 ・けいれんの前後に頭痛・嘔吐・意識障害がある場合 ・けいれん後、麻痺が続く場合 ・重度の昏睡状態 など 熱性けいれんをおこしてしまった場合、次から予防するための座薬を処方される場合があります。抗けいれん薬でダイアップという座薬で、37.5度の発熱の時点で一度座薬を挿入し、8時間後にまだ熱があればもう一度挿入するという薬になります。けいれんは、体温が急激に上昇するときに起こりますので、発熱時には注意して観察しておいた方がいいですね。 さいごに
けいれんを目の当たりにすると、とても不安になりますが、あらかじめ対処法を知っておくと、多少なりとも落ち着いて観察することができると思いますよ。解熱後、3日で娘も元気に走り回っていました。次にまた発熱したら…と不安もありますが、落ち着いて対応できるように感じます。
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