今回は、「カンガルーケア」についてのメリット・デメリットについて改めてみていきたいと思います。
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カンガルーケアとは?
産まれた直後の赤ちゃんを、腹臥位にして母親の胸の上に置き、抱っこするというものです。カンガルーがお腹の袋に赤ちゃんをいれてあたためている様子に似ていることから、名づけられたということです。出生後の、母親との早期接触によって母子愛着形成を促すために実施されています。
カンガルーケアを実施する際は、服の上からでなく、直接肌同士を触れ合わせます。
この行動により、赤ちゃんは、低体温の防止となったり、母親の正常細菌叢の定着を促進させます。
また、母親にとっては、分娩後の疲れを癒してくれたり、母性がわくことにより母親である自覚を強くしたり、母乳の分泌を促進します。
カンガルーケアを実施するタイミング
実際には、赤ちゃんが体外に出てきたときに臍の緒がつながったままの状態で実施します。この時、助産師などが、赤ちゃんの落下防止として支えていてくれます。この時点でのカンガルーケアは短時間ですませることが大切です。抱っこした後は、臍の緒も処置を行い、赤ちゃんはすぐに吸引などの処置に連れて行かれます。その処置の合間に、母体の産後の処置を行ったりします。
母子両方の処置が終わり、お互いの状態がよければ再度赤ちゃんを連れてきてくださいます。抱っこして記念写真を撮ったり、主人も出産に立ち会っていたため、3人での家族の時間をくださいました。(助産師付き添いのもと)
カンガルーケアの危険性
カンガルーケアは母子の愛着形成促進にいいとされています。しかし、実は危険も伴います。実際に、全国各地でケア中の事故が相次ぎ、問題になっているようです。
ケア中の落下事故もありますが、赤ちゃんの急変が起こったケースもあります。
私は看護師免許を取得していますが、看護学生時代にカンガルーケアについても学びました。教科書や参考書にも、よいことしか書かれておらず、実施するまではデメリットはないと思っていました。しかし、実際に実施してみると、分娩台の上で突然赤ちゃんを抱っこして、落としてしまわないかと思ったり、ケア中に赤ちゃんの状態が変わってしまったらどうしよう…などと多少不安も感じました。その後、このような事故が起こっていることも知り驚きました。
さいごに
きちんとした環境と管理のもと、実施している産院もあるようですが、整っていない状態で実施している産院なども少なくないようです。
出産前には、産院の方向性を知っておき、事前にどちらにするか相談し決めておく方がよいでしょう。
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